2015年8月17日月曜日

海外文学書評 #4 「異邦人」

日本では海外文学はあまり人気がないらしい。
ハリー・ポッターや、ダ・ヴィンチ・コードのような一部例外をのぞいて、
販売ランキングで上位に来ることはほとんどない。

しかし、筆者はその逆で、基本的に海外文学しか読まない。
そこでお気に入りの海外文学を紹介していこうという試みである。

今回紹介するのは、フランスの作家アルベール・カミュが書いた「異邦人」である。



・タイトル:異邦人
・原題:L'Étranger
・作者:アルベール・カミュ
・訳者:中村光夫
・出版社:グーテンベルク21
・出版日: 2014/02

「きょう、ママンが死んだ。」という出だしで有名な作品。
孤独とニヒリズム、そして不条理が主なテーマとなっており、哲学的な趣が強い作品だ。

・あらすじ
アルジェリアの首都、アルジェに住むムルソオは、母親の葬式のために養老院へ赴く。
葬儀の間、ムルソオは一度も涙を流さなかった。
葬儀の翌日、昔の友人である女性と再開し、情事に耽る。
何日か後、友人のレエモンとアラブ人とのトラブルに巻き込まれ、ムルソオはアラブ人を射殺してしまう。

・感想
カフカの「変身」と並び、不条理小説の代表と呼ばれているだけあり、主人公のムルソオは不条理によって悪者にされてしまう。
キルケゴールは「死に至る病」とは、「絶望」であるといい、救われるためには「信仰」が必要であると言った。
しかし、カミュは信仰は哲学的な自殺に他ならないと切り捨て、人間は絶望と直視し、それを受け入れる必要があると言っている。
ムルソオは絶望を受け入れ、牧師を追い返して信仰を否定することによって、真の意味での自由を得たのではなかろうか?
難解な本であるし、キリスト教徒向けに書かれているので、神や宗教をあまり信じていない日本人にはとっつきにくいが、十分に読む価値のある本と思う。
個人的にはシーシュポスの神話も読みたいのだが、Kindleにない。。。(´・ω・`)

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