2015年3月23日月曜日

海外文学書評 #3 「悪童日記」

日本では海外文学はあまり人気がないらしい。
ハリー・ポッターや、ダ・ヴィンチ・コードのような一部例外をのぞいて、
販売ランキングで上位に来ることはほとんどない。

しかし、筆者はその逆で、基本的に海外文学しか読まない。
そこでお気に入りの海外文学を紹介していこうという試みである。

今回紹介するのは、フランスの作家アゴダ・クリストフが書いた「悪童日記」である。



・タイトル:悪童日記
・原題:Le Grand Cahier
・作者:アゴダ・クリストフ
・訳者:堀茂樹
・出版社:早川書房
・出版日: 2001/05

オリジナルは1986年にフランスで出版された、クリストフのデビュー作である。
戦争中に他国(おそらくナチス・ドイツ)に侵略されるある国(おそらくハンガリー)を舞台にした作品である。
著者のクリストフが幼少期をナチスに侵略されたハンガリーで過ごし、その頃の体験をベースにした作品と言われている。

あらすじ:
戦争が激しくなり、大きな街は爆撃が多くなり、人々は田舎へと疎開を始めていた。
主人公は双子の少年。父親は随分前から前線に行ったきり帰ってこない。
空襲を避けるため、国境付近の小さな町に住む母方のおばあちゃんの家に預けられる。
母親は双子を残してまた大きな街へ帰っていった。
おばあちゃんは双子に厳しくするが、双子はやがてたくましく育っていく。。。

感想:
はじめに断っておくと、性的な描写と猟奇的な描写がままある作品である。
物語は全編双子の日記として書かれているが、意図的に後から日記を削除した描写もあり、双子の体験をすべて語っているわけではない。
また、双子は日記に自分たちの感情を書かないように気をつけている描写があり、実際この双子がどう感じたのかは作品に描かれていない。
感情が描かれていないため、物語は淡々と進んでいく。
双子は淡々と物を盗み、人を殺し、人を利用し、生き延びる。
そして衝撃のラスト2行。

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