2014年12月15日月曜日

海外文学書評 #2 「銀河ヒッチハイク・ガイド」

日本では海外文学はあまり人気がないらしい。
ハリー・ポッターや、ダ・ヴィンチ・コードのような一部例外をのぞいて、
販売ランキングで上位に来ることはほとんどない。

しかし、筆者はその逆で、基本的に海外文学しか読まない。
そこでお気に入りの海外文学を紹介していこうという試みである。

今回紹介するのは、イギリスのSF作家ダグラス・アダムスが書いたSF小説、「銀河ヒッチハイク・ガイド」である。



・タイトル:銀河ヒッチハイク・ガイド
・原題:The Hitchhiker's Guide to the Galaxy
・作者:ダグラス・アダムス
・訳者:安原和見
・出版社:河出書房新社
・出版日:2005/9/20

オリジナルは1979年にイギリスで出版された。
1982年に日本語に翻訳されて出版されていたが、その後長いこと絶版となっていた。
2005年に新訳され、本書を筆頭にシリーズ5作全ての日本語訳が出版された。

あらすじ:
アーサー・デントは何の変哲もないイギリス人。
田舎のラジオ局に勤め、デジタル時計を人類最高の発明と思い、仮装パーティで女の子をモノにし損ねた。
ある日、彼は自分の家と自分の住む星を破壊されてしまう。
彼は偶然にも友人がベテルギウス人だったので、地球を破壊に来た宇宙船にヒッチハイクすることができ、
地球人で最後の生き残りとなったのだった。
特に行く宛もないアーサーは、助けてくれたベテルギウス人のフォードとともに、ヒッチハイクをして宇宙の驚異を見て回ることにした。。。

感想:
冒頭でいきなり地球が破壊され、主人公は幸運にも地球を脱出する。
しかし、作中で主人公は地球が破壊された実感をなかなか得ることが出来ず、結局「マクドナルドは2度と食べられない」と気がついて悲しむのだった。
かなりコミカルな作品で、コメディというよりもギャグと呼んだほうが適切なくらいだ。
ユーモアの分類としてはやはり英国的な皮肉とブラック・ジョークが多く、何らかの生物の生き死にに関わるジョークも多い。
この辺り、同じイギリスの作家であるロアルド・ダールのセンスに通じる物があると思う。
個人的に、作中に出てくるうつ病のロボット「マーヴィン」が好きだ。
事あるごとに自分で自分のスイッチを切って動かなくなる。
人間など及びもしない計算能力で、確実に相手を不快にすることを、確実に相手が不快になるタイミングで発言する。
実際に身近にいて欲しいとは思わないが、ユニークなキャラクタだ。
この本の特筆すべきは、恐らく誰もが一度は考えたことがある謎、「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」が計算され、答えが登場することだ。
作中でとあるコンピュータが計算したことになっているが、現在ではその機能はGoogleに移植され、Googleでも同じ計算を行う事ができる。
本書は英語圏では人気があり、コンピュータが多数登場するせいか、IT関連の人々の間での知名度が特に高い。

本書は2005年に映画化された。
もちろん、筆者はDVDを所有している。



全体的な笑いのセンスは日本のものと乖離しているが、
英国流のジョークを楽しみたい方、それとIT関連に興味がある方は、是非一度読んでみることをオススメする。

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